春の朝、「お母さん、天気がいいからドライブに行こうよ！」と娘が提案した。最近、娘は友達と遊ぶほうが楽しくなる年頃で、だんだん家族とのお出かけに付き合わなくなっていたから、これはうれしいお誘いだ。さっそく、愛車のメルセデス・ベンツに乗り込み出発！目的は、もちろん満開を迎えた桜だ。
　まずは丹波篠山市の「河原町妻入り商家群」へ。間口が狭く奥行きの深い造りをした妻入りの商家が約600mにわたり並び、古い時代の趣を残している。車から降りて町歩きを楽しみながら土産物屋でショッピング。「これかわいい♪」と同じものを選んでしまうのは、やはり母娘だからかもしれない。

　次に訪れたのは、桜の名所で知られる「篠山城跡」。お堀とその周囲に植えられた約1000本ものソメイヨシノが一斉に咲き誇る姿に、ふたり言葉を忘れて見とれてしまう。広い城跡には石垣や外堀が残り、復元された大書院も。「江戸時代にタイムスリップしたみたいだね」と娘が笑う。とてもいい笑顔を見せる娘と桜をバックに写真を撮った。
　再びメルセデス・ベンツに乗り込み、別名「さくら街道」とも言われる国道173号線を走る。丹波細工所から小田中にかけて、車窓から桜が消えることのない美しい風景に、娘も大興奮だ。
　小野市に入り、「おの桜づつみ回廊」へ。全長4kmにかけて続く桜トンネルを娘と手をつないで歩く。土手の芝生に座り、写真を撮ったりおしゃべりしたり。とても気持ちいい時間だ。
　最後に訪れたのは、神河町の「桜華園」。様々な品種の桜を間近で楽しみながら、園内を歩き高台へ。絶景に感動していると、「来年も、また一緒に来きたいね！」と娘が言った。「うん、そうだね」と私。 一年後、成長した娘はどんな表情を見せてくれるのだろうか。来年の桜ドライブが楽しみになった。